「ルートダブル」感想
名作アドベンチャーゲームとGoogleで調べたときにこのゲームをお勧めされている方がいたのでプレイしてみました。自分はPS3版をプレイしましたがここまで話の選択に緊張感のあるゲームはないってくらいドキドキしました。
ストーリー
西暦2030年9月16日 午前6時19分。
「鹿鳴研究学園都市」の郊外、
湖畔にそびえ立つ、巨大な科学研究施設「ラボ」にて、
「事故」、発生……!
かくして、ラボの地下に9名の男女が閉じ込められた。
刻一刻と死が蝕んでいく世界。固く閉ざされた出口。
頻発する不可解な現象。多くの謎。
そして……閉鎖空間の中で発生した、猟奇的な大量殺人。
この超極限状態から抜け出す鍵(ルート)は2つ――
ラボの中で記憶を失ったレスキュー隊の隊長――笠鷺渡瀬。渡瀬の視点で繰り広げられる、9時間の脱出劇。
ラボに閉じ込められた高校生――天川夏彦。夏彦の視点で追想される、事故発生までの6日間の軌跡。
2人の思惑、2つの記憶が重なるとき――全ての真相が明らかになる。
果たして、9名全員が無事生還できる道は、残されているのか?
公式サイトより引用
ストーリーにある通りこのゲームは記憶喪失のレスキュー隊の隊長笠鷺渡瀬視点の√After
高校生の天川夏彦視点の√Beforeの二つのお話があります。
√Afterは事故当日のラボに閉じ込められた6人を救助し、そこで9人の身を守るかラボから脱出することが目標になるんですが、このラボには研究用に小型原子炉を保有しており事故が起こってメルトダウンしているため放射能による被ばくの恐怖が付きまとってきます。
しかし、この薬を定期的に投与し続ければ被ばくを防げるんですが、手持ちでは数が足りず薬を見つけるためにリスクを取るか、そのままとどまって待つかの選択を迫られるのでどっちを選んでもいい方向に進んでいるとは思えなくて怖かったですね。
さらにこの手のゲームによくある選択肢がなく、話の分岐はセンシズ・シンパシィ・システムというちょっと変わったシステムで、簡単に言うと自分がそのキャラに好感度が高いと高めに設定して、低いと低く設定してそれによって主人公の言動が変わります。
高く設定したら話に同意するんだろなあ....とか大体予想はできるんですが実際選んでみないとどういう方向に話が進むかわからないのでこのシステムも話のドキドキ感に一役買っていると思います。
そして √Beforeはラボの事故の6日前から当日までに起こった話を高校生天川夏彦視点で見ていくんですがいろんなサイトで√Afterをしてから√Bforeをすることを推奨していたので自分もその順番でやっていたのですが、√Afterで命のやり取りをしていたので急に男子高校生のちょっと変わった日常というか女の子とのイチャイチャ生活を見せられるのでなにをしているんだ....って正直なりました(笑)
もちろん、ここでの話もちゃんと本編に必要なのですがこの落差は結構きつかったです。女の子はかわいいのですが......
しかし、最終的には√Bforeで張られた伏線も回収されるのでちゃんと見てほしいですね。お話自体はつまらなくないので、ただただ落差がありすぎるだけなんです。
ルートダブルは原子炉の事故による被ばくを防ぎつつ脱出するパニック&サスペンスとしての緊張感がかなり高い没入感で楽しめるすごいゲームです。この緊張感を味わえるのは他のゲームではなかなか味わえません。それだけに男子高校生のハーレム生活との落差がちょっときつかったりしますがその話も伏線がはられ綺麗に回収されるので、パニックサスペンス物のアドベンチャーゲームをしてみたい方におススメなゲームです!
ボリュームもかなりあるので、じっくりやってほしいですね。
<ここから先はネタバレがあります。未プレイの方は注意して下さい>
√Aと√Bをクリアすると√Currert、そして最終の√Doubleが解放されます。そして、じつは事故で漏れているのは放射能じゃないことがわかるんですが、とりあえず被ばくによる危険はなくなるのでやっぱりそこでの緊張感が話が進むほどなくなっていくのがちょっとマイナスでした。結局こういう話は「本当に怖いのは人間なんだよ」みたいな話になるんだなあって思いました。
黒幕的なのに「被検体N」って存在がいるんですが、結局「被検体N」もラボの被害者だったので、目に見える敵キャラがいなかったのも残念でした。話が壮大なことの弊害かもしれませんね。
あとPS3版の追加コンテンツが本編と同じ話の部分が結構多かったので読むのがちょっときつかったですね。
しかし、追加コンテンツ抜きでもかなりのボリュームがありますし、√Aでの緊張感は本当になかなか味わえるものではないですし、話もきれいに締まるのでなかなかに面白いゲームでした。